「買わないリスク」も洗い出してみた|住宅ローンを組む前に、逆側も考えてみる

記録

前回の記事で、私は「買うリスク」を書き出した。

収入減。
金利上昇。
離婚。
災害。

でもそのあと、気づいた。

私は「買う怖さ」は丁寧に見ているのに、
「買わない怖さ」は、きちんと見ていなかった。

家を持つことがリスクなら、
持たないことは本当に安全なのだろうか。

この記事の前に考えたことはこちら≫
「住宅ローンは通る」でも、最悪のシナリオを全部書き出してみた

買わない場合のリスク

① 家賃を払い続けるリスク

賃貸は身軽だ。でも同時に、終わりがない。

・一生払い続ける可能性
・老後も家賃が発生
・更新料
・家賃値上げ

払っても資産にはならない。
この言葉を、私はずっと軽く受け流してきた。

でも最近、「心理的な重さ」は確かにあると感じる。

② インフレリスク

・物件価格の上昇
・家賃上昇
・将来もっと高くなる可能性

「今が一番安いのでは?」

この言葉も、何度も聞いた。

未来は読めない。
でも、将来もっと高くなる可能性はある。

そのとき、「あの時動いていれば」と思うかもしれない。

これは、静かな不安だ。

③ 老後住居リスク

ここは正直、刺さる。

・高齢で賃貸が借りにくい
・保証人問題
・引っ越し体力

住めなくなるとは思わない。
でも、選べなくなる可能性はある。

④ 子どもへの影響

・実家がない
・資産を残せない
・転校の可能性

家を持つことは、子どもに“場所”を残すことでもある。

それを選ばないということは、何かを渡さない選択なのかもしれない。

なぜ、私の前提が変わったのか

私は長く、賃貸派だった。

人口は減少する。
家は余る。
だから、住む場所に困ることはない。

そう思っていた。

でも最近、その前提が揺れている。

1.「余るはず」という前提の揺らぎ

人口は減る。
でも同時に、移民は増えるのではないだろうか。

労働力不足は確実だし、企業は人を確保しなければならない。

そうなったとき、大家にとって安心なのは誰だろう。

個人の高齢単身者か。
それとも、企業がまとめて借り上げる社宅か。

答えは、わりと明確だ。

住めなくなることはないと思う。
でも、高齢になったときの「選択肢」は確実に狭まる気がしている。

さらに、便利な場所はどうだろう。

人口減少期でも、都市部や利便性の高いエリアの需要は残る。

インフレが進めば家賃も上がる。

年金生活で、住居費の割合を増やすことは難しい。

結果として、「借りられる家」はあっても「住みたい場所」には住めない老後になるのではないか。

ボロボロで、不便で、我慢が前提の生活。

そこが、少し怖くなった。

もちろん、これは私の仮説にすぎない。
実際にどこまで起きるのかは分からない。
でも、以前より「ゼロとは思えない」と感じている。

2.インフレと現金の価値

もう一つは、インフレ。

現金の価値が、じわじわ下がっていく感覚。

今までの私は、「現金を持っている=安全」と思っていた。

でも本当にそうだろうか。

インフレが進めば、現金の購買力は下がる。

そのとき、現物資産を持っている方がいいのではないか。

ここで言う現物資産は、不動産。

もちろん価格は上下する。
絶対安全ではない。

それでも、「家賃を払い続ける側」より「住む場所を確保している側」のほうが強いのではないか。

そんな考えが、少しずつ芽生えた。

もちろん私は専門家ではない。
一生活者の肌感覚である。

それでも冷静に見る

書き出してみると、「買わないリスク」も確かにある。

でも、気づいたことがある。

多くは“将来不安”だった。

まだ起きていない未来への想像。
起きるかもしれない、という仮定。

整理すると、こうなる。

・買うリスク → 固定化リスク
・買わないリスク → 将来不安リスク

性質が違う。

買うリスクは、契約した瞬間に現実になる。

買わないリスクは、未来のどこかで起きるかもしれない話だ。

どちらが重いかは、人によって違う。

私が怖いのはどちらか

将来不安と、今の自由。
どちらを優先したいのか。

まだはっきりとはわからない。

不安に押されて買うこと。
焦りで決めること。
“今が最後かもしれない”という空気に流されること。

家を買うかどうかよりも、納得できない決断のほうが怖い。

だから私は、どちらのリスクも見たうえで、揺れていない状態で決めたい。

今は、その途中にいる。

私が本当に怖いもの

ここまで書いていて、ひとつはっきりしたことがある。
買わないリスクで一番気になるのは「老後住居リスク」だ。

老後そのものが怖いのではない。
「選べない状態」になることが怖い。

住む場所を、予算だけで決めなければならないこと。

立地ではなく、“借りられるかどうか”で選ぶこと。

私は、自由を優先してきた。

だからこそ、将来その自由がなくなる可能性に敏感なのかもしれない。

老後住居不安は「購入」で解決するのか?

さらにいうと、老後住居不安は「所有」で解決するのだろうか。
持ち家でも、リスクはある。

・固定資産税
・修繕費
・立地が不便になる可能性
・空き家化リスク

「選べなくなる不安」は、もしかしたら“お金”の問題ではなく、体力や社会情勢も絡む複雑な問題かもしれない。

だからこそ私は、「所有=安心」と短絡的に結論づけることも、まだできない。

だから私は、まだ結論を急がない。
怖さの正体が分かっただけでも、今は十分だと思っている。

この記事のまとめ

  • 買うリスクと買わないリスクではリスクの種類が違った
  • 買うリスクは「固定化リスク」、買わないリスクは「将来不安リスク」
  • 老後の住居不安が買わないリスクの中では一番気になる
  • 私が怖いのは「住めなくなること」より「選べなくなること」

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※この記事は「住宅検討ログシリーズ」の一部です。
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